FedExが医薬品の再配布インフラ構築にブロックチェーンを応用

ニュースサイトのコマーシャル・アピールは2018年7月6日にフェデックス・インスティテュート・オブ・テクノロジーは製薬会社グッド・シェパード・ファーマシーと業務提携したと伝えた。

この協力関係はブロックチェーン技術を応用することで今まで経済的理由で入手困難だった抗がん剤を必要としている人たちの希望になると期待されている。

FedEx(フェデックス)とグッド・シェパード・ファーマシーが提携

流通業界最大手のFedExの技術研究所は製薬会社グッド・シェパード・ファーマシーと業務提携をし、がん患者の医薬品を届けるためのブロックチェーン基盤のインフラを開発すると発表した。

ブロックチェーン技術の利点である安全に情報を伝達できるという性質に注目し、グッド・シェパード・ファーマシーの未使用の医薬品をがん患者から回収し、経済的に不利な立場の患者へ再配布するという大胆な構想だ。

日本においてもがん患者は毎年増加傾向にあり、2017年のがん罹患数予測においても約101万4千例(うち男性57万5千900例、女性43万8千100例)にも上る。同時に議題に上がるのがその「高額な治療費」問題である。

最近の生命保険は「がん治療」の分野に対して手厚い商品が増えてきたと言われるものの、まだまだ保険適用外の治療法や医薬品が多くを占めている。

経済的に余裕がなければ十分な治療が受けられない患者が存在するのが実情だ。

使われない処方箋医薬品は年間1000万ドル以上

そこで目をつけたのが未利用の処方箋医薬品だ。グッド・シェパード・ファーマシーのフィル・ベイカーCEOは次のように述べている。

テネシー州だけでも年間1000万ドル(約11億円)以上の処方箋医薬品がトイレに流されている。REMEDI(REclaiming MEDIcine)プロジェクトにより貴重な医薬品を買えない患者へ配布出来る

もちろん未利用の医薬品が対象になるため、経済的な理由により治療を諦めていた患者にとってはまさに希望の光となる。ブロックチェーンを利用することで安全で正確な情報が回ってくるため医薬品を回収される側も提供される側も安心して回収・使用ができる。

実用化にむけたFedExの動き

2018年5月にはFedExのフレッド・スミスCEOはブロックチェーン技術を「世界のサプライチェーンを変える」と評価している。時をさかのぼり2018年2月にはアメリカ大手鉄道会社であるBNSF鉄道や中国物流業界の大手JDロジスティクス、鉄道車両や船用エンジンの製造で有名なGEトランスポテーションが参加している物流業界のブロックチェーン団体BiTAに参加している。

BiTAへの参加は今後の本格的なブロックチェーン技術の応用を狙ったものであることは明白だ。中でもがん患者への医薬品提供という人道的な動きは社会における役割も大きく、各分野から注目を集めている。

ブロックチェーン実用化は物流分野においても人件費の削減や輸送ミスの改善に繋がると期待されているだけでなく、社会貢献の面において企業イメージはかなり良い。

人命に関わる事案なので1日も早い実用化を期待したい。